刑事裁判その2
裁判官 刑事裁判その1
それから1週間も経たないある日、弁護士から次回公判は延期になりました、という連絡が入りました。
検察側が追加で証拠調べの申請を出してきたのです。
危惧していた通りの展開です。
前回、裁判官から判決の日程が伝えられた時、無罪の期待は大きくなりました。
そのとき弁護士は、検察側も無罪の予測をしたと思います、という事は【公判を引き伸ばす戦術に出てくる可能性がある】と言っていたのです。
3月31日を過ぎれば、裁判官は間違いなく代るわけです。
検察側としては、みすみす無罪判決の可能性がある裁判官の下で、指を咥えて判決を聞くことはないのです。
申請の内容は県警の科学捜査研究所、通称科捜研と呼ばれている所へ、衝突時の互いの速度の鑑定を依頼するというものでした。
全く争点になっていなかった事で、時間稼ぎなのは明白です。
そして4月に入り、裁判官の変更の通知が来ました。
新たな裁判官の下で続けられた公判では、新事実を出すでもなく,単に時を費やしただけでした。
そして迎えた判決は、唯一の証拠である目撃証言の評価を、【証人の大きな音を聞いてから、隣の部屋へ動き始めた時については、証人がドーン、ガシャーンと2回の音を聞いているが、1回目のドーンの【ド】で動き始めたと証言しており、それを覆すものは何もない・・・・】
であるから証拠として採用できる、そうすれば・・・・・・
簡単に言うならば、【証人が【ド】で動いたと言っている以上、それを否定する証拠がないなら、【ド】で動いたのでしょう。そうすれば4秒ぐらいで信号を見ることが出来るので、6秒は越えていない、であれば衝突時点でYの信号は赤であったことは明白である。】という事です。
判決は、大きな音を聞くと【固まる】と、ドーンの【ドでスタートした、】で明暗を分けたのです。
裁判官が代るのを待った、検察側の作戦が大勝利になったのです。
誰と話しをしても、スタートラインに並んだ選手みたいに、【ド】でスタート出来る訳がないと言います。
それが裁判では、あるいは裁判官によっては、あったのです。
私たちが考える常識と、裁判官・あるいは裁判の常識は違うのです。
今裁判員制度の開始にあたり、いろんな意見があると思いますが、これがもし裁判員制度の評議だったら、どうなったのでしょう。
このYさんは控訴せず、罰金刑に服しました。
私と弁護士との控訴の説得に対しYさんは、保険屋さんと弁護士さんが本気で私を信じてくれて、ここまでしてくれた事には、本当に感謝しています。
でもこの1年間被告席に座らされ、これまでの侮辱的な尋問がさらに続くと思うと、もう耐えられないし、気持ちを切り替え、生きていかなければなりません。
申し訳ありませんが、控訴はしません。
私も弁護士も、それ以上は言えませんでした、これは罰金刑のレベルですから、その選択もありかと思います。
でも、これが実刑とか、死刑とかだったらと思うと、恐ろしくなります。
真実は何かというより、何が何でも有罪にしようとする検察側、刑事裁判での有罪率99%という数字に呪縛され、慄いている裁判官・・・・・・・見せてもらいました。
裁判員制度、色々問題点は指摘されていますが、私はこの制度は改善は必要と思いながらも、このような経験を踏まえ、基本的には賛成です。
応援クリックよろしく

それから1週間も経たないある日、弁護士から次回公判は延期になりました、という連絡が入りました。
検察側が追加で証拠調べの申請を出してきたのです。
危惧していた通りの展開です。
前回、裁判官から判決の日程が伝えられた時、無罪の期待は大きくなりました。
そのとき弁護士は、検察側も無罪の予測をしたと思います、という事は【公判を引き伸ばす戦術に出てくる可能性がある】と言っていたのです。
3月31日を過ぎれば、裁判官は間違いなく代るわけです。
検察側としては、みすみす無罪判決の可能性がある裁判官の下で、指を咥えて判決を聞くことはないのです。
申請の内容は県警の科学捜査研究所、通称科捜研と呼ばれている所へ、衝突時の互いの速度の鑑定を依頼するというものでした。
全く争点になっていなかった事で、時間稼ぎなのは明白です。
そして4月に入り、裁判官の変更の通知が来ました。
新たな裁判官の下で続けられた公判では、新事実を出すでもなく,単に時を費やしただけでした。
そして迎えた判決は、唯一の証拠である目撃証言の評価を、【証人の大きな音を聞いてから、隣の部屋へ動き始めた時については、証人がドーン、ガシャーンと2回の音を聞いているが、1回目のドーンの【ド】で動き始めたと証言しており、それを覆すものは何もない・・・・】
であるから証拠として採用できる、そうすれば・・・・・・
簡単に言うならば、【証人が【ド】で動いたと言っている以上、それを否定する証拠がないなら、【ド】で動いたのでしょう。そうすれば4秒ぐらいで信号を見ることが出来るので、6秒は越えていない、であれば衝突時点でYの信号は赤であったことは明白である。】という事です。
判決は、大きな音を聞くと【固まる】と、ドーンの【ドでスタートした、】で明暗を分けたのです。
裁判官が代るのを待った、検察側の作戦が大勝利になったのです。
誰と話しをしても、スタートラインに並んだ選手みたいに、【ド】でスタート出来る訳がないと言います。
それが裁判では、あるいは裁判官によっては、あったのです。
私たちが考える常識と、裁判官・あるいは裁判の常識は違うのです。
今裁判員制度の開始にあたり、いろんな意見があると思いますが、これがもし裁判員制度の評議だったら、どうなったのでしょう。
このYさんは控訴せず、罰金刑に服しました。
私と弁護士との控訴の説得に対しYさんは、保険屋さんと弁護士さんが本気で私を信じてくれて、ここまでしてくれた事には、本当に感謝しています。
でもこの1年間被告席に座らされ、これまでの侮辱的な尋問がさらに続くと思うと、もう耐えられないし、気持ちを切り替え、生きていかなければなりません。
申し訳ありませんが、控訴はしません。
私も弁護士も、それ以上は言えませんでした、これは罰金刑のレベルですから、その選択もありかと思います。
でも、これが実刑とか、死刑とかだったらと思うと、恐ろしくなります。
真実は何かというより、何が何でも有罪にしようとする検察側、刑事裁判での有罪率99%という数字に呪縛され、慄いている裁判官・・・・・・・見せてもらいました。
裁判員制度、色々問題点は指摘されていますが、私はこの制度は改善は必要と思いながらも、このような経験を踏まえ、基本的には賛成です。
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