等級制度・大改訂
割引表・複線化
自動車保険の保険料は、大まかに言うならば、その補償内容ごとの基本保険料に、無事故割引率を掛ければ計算できる仕組みになっている。
事故なく保険をかけ続ければ、無事故割引が進み、だんだん安くなっていく制度です。
でも最近の保険料は、事故がないのに毎年高くなっていくと、契約者から不満の声を聞かされ続けています。
そうです、このデフレ基調が続く中、保険料だけは上がりっぱなしです。
毎年毎年、あのせい、このせい、と言いながら、【お客様の公平な負担の観点から】という錦の御旗でごまかし続けてきました。
そんな姑息な値上げ術も、いつも同じでは通じません、かと言って値上げしないでは、赤字幅が膨らむだけです。
そこで考えたのが、大幅な値上げと感じさせず、同時に保険を使いづらくする、この等級制度の大改訂です。
簡単に言うと、事故有りラインと事故無しラインという複線化です。
同じ等級でも、事故無しラインと事故有りラインでは、30%~50%も違います。
一度事故有りラインへ行ったら、事故無しラインに戻れるまでの刑期は、1年契約では事故の形態によって3年~1年かかります。(長期契約は別の扱い・職人技の見せ所かも)
事故があるとどのくらい保険料が上がるかですが、たとえば20等級63%引きの人(最も保険会社に貢献してきた人)が事故を起こした場合でも、次の年の保険料は、17等級38%引きとなり、67.5%くらい高くなります。
63%引きと38%引きなら、63-38=25%と思うでしょうが、違います。
{(1-38)÷(1-63)-1}×100≒67.5%となるのです。
もっと具体的に言うと、毎月の保険料が5,000円の人は、次の年、月8,300円ぐらいになるということです。
この制度の説明があった最初の頃、制度を複雑化せずに1事故で3等級ダウンではなく、5等級ダウンにすればシンプルでよいのにと思っていました。
でもそんな甘いものではありませんでした、38%引きというのは、これまでの等級で言うなら、だいたい10等級ぐらいに相当します。
20等級→10等級という事は、10等級ダウンと言うことです。
まさか一挙に10等級ダウンとは言えませんので、複線化で解り難くして誤魔化したのでしょう、いつもの事です。
いかに大幅な値上げかが、お分かり頂けると思います。
一度下がった等級は、戻るまで一定の期間がかかりますが、取りあえず5年間の増額保険料を、先ほどの例を使って計算してみます。
今までは5年間で割増保険料19,400円ほどだったものが、改定後は111,900円ほどになります。
桁が一桁違うのです。
そしてこの増額保険料とは、事故がなかったとした保険料に、プラスして払うということです。
例にした20等級63%引きの人が、仮に10万円の保険金支払いを受けたら、5年間で111,900円の割増保険料を多く支払うことになるのです。
18等級48%引きの人なら、同じ補償内容で123,000円も多く保険料を取られます。
つまり10万円以下の損害では、保険を使えないと言う事と、同じ事です。
でも、でも、事故を起こさなければ、この問題を考える必要がない事も事実です。
実際長い事、無事故のまま保険料を払い続けている契約者からは、無事故の人の保険料は上げずに、事故を起こした人の保険料だけを上げるべきだ、という声も強いです。
この制度改定、【お客様の公平な負担の観点から】という錦の御旗を、最も効果的なところにかざしたようです。
契約者の分断と対立を利用したあたり、上手いとも、ずるいとも言える。
似ています、消費税増税に。
本当に値上げが必要なら、また負担の配分の見直しが必要なら、それはやるしかありません。
しかし本当に【お客様の公平な負担の観点から】を言うなら、先にやるべき事があります。
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自動車保険の保険料は、大まかに言うならば、その補償内容ごとの基本保険料に、無事故割引率を掛ければ計算できる仕組みになっている。
事故なく保険をかけ続ければ、無事故割引が進み、だんだん安くなっていく制度です。
でも最近の保険料は、事故がないのに毎年高くなっていくと、契約者から不満の声を聞かされ続けています。
そうです、このデフレ基調が続く中、保険料だけは上がりっぱなしです。
毎年毎年、あのせい、このせい、と言いながら、【お客様の公平な負担の観点から】という錦の御旗でごまかし続けてきました。
そんな姑息な値上げ術も、いつも同じでは通じません、かと言って値上げしないでは、赤字幅が膨らむだけです。
そこで考えたのが、大幅な値上げと感じさせず、同時に保険を使いづらくする、この等級制度の大改訂です。
簡単に言うと、事故有りラインと事故無しラインという複線化です。
同じ等級でも、事故無しラインと事故有りラインでは、30%~50%も違います。
一度事故有りラインへ行ったら、事故無しラインに戻れるまでの刑期は、1年契約では事故の形態によって3年~1年かかります。(長期契約は別の扱い・職人技の見せ所かも)
事故があるとどのくらい保険料が上がるかですが、たとえば20等級63%引きの人(最も保険会社に貢献してきた人)が事故を起こした場合でも、次の年の保険料は、17等級38%引きとなり、67.5%くらい高くなります。
63%引きと38%引きなら、63-38=25%と思うでしょうが、違います。
{(1-38)÷(1-63)-1}×100≒67.5%となるのです。
もっと具体的に言うと、毎月の保険料が5,000円の人は、次の年、月8,300円ぐらいになるということです。
この制度の説明があった最初の頃、制度を複雑化せずに1事故で3等級ダウンではなく、5等級ダウンにすればシンプルでよいのにと思っていました。
でもそんな甘いものではありませんでした、38%引きというのは、これまでの等級で言うなら、だいたい10等級ぐらいに相当します。
20等級→10等級という事は、10等級ダウンと言うことです。
まさか一挙に10等級ダウンとは言えませんので、複線化で解り難くして誤魔化したのでしょう、いつもの事です。
いかに大幅な値上げかが、お分かり頂けると思います。
一度下がった等級は、戻るまで一定の期間がかかりますが、取りあえず5年間の増額保険料を、先ほどの例を使って計算してみます。
今までは5年間で割増保険料19,400円ほどだったものが、改定後は111,900円ほどになります。
桁が一桁違うのです。
そしてこの増額保険料とは、事故がなかったとした保険料に、プラスして払うということです。
例にした20等級63%引きの人が、仮に10万円の保険金支払いを受けたら、5年間で111,900円の割増保険料を多く支払うことになるのです。
18等級48%引きの人なら、同じ補償内容で123,000円も多く保険料を取られます。
つまり10万円以下の損害では、保険を使えないと言う事と、同じ事です。
でも、でも、事故を起こさなければ、この問題を考える必要がない事も事実です。
実際長い事、無事故のまま保険料を払い続けている契約者からは、無事故の人の保険料は上げずに、事故を起こした人の保険料だけを上げるべきだ、という声も強いです。
この制度改定、【お客様の公平な負担の観点から】という錦の御旗を、最も効果的なところにかざしたようです。
契約者の分断と対立を利用したあたり、上手いとも、ずるいとも言える。
似ています、消費税増税に。
本当に値上げが必要なら、また負担の配分の見直しが必要なら、それはやるしかありません。
しかし本当に【お客様の公平な負担の観点から】を言うなら、先にやるべき事があります。
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