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解除権

解除権

東京海上日動の自動車保険T/Aの約款では、第4節【共通】第7条に解約についての定めがある。
【保険契約者による保険契約の解除】
① 保険契約者は、当会社に対する書面または当会社の定める通信方法による通知をもって保険契約を解除することができます。ただし、この場合において、当会社が保険料を請求したときには、当該保険料を払い込んだときに保険契約を解除することができます。また、保険金請求権の上に質権または譲渡担保権が設定されている場合は、この解除権は質権者または譲渡担保権者の書面または当会社の定める通信方法による同意を得た後でなければ行使できません。

【当該保険料を払い込んだときに保険契約を解除する事ができます。】
これを裏返したら、保険料を払い込まなければ解除できない、と解釈するのが一般的と思われますし、保険会社もそれを期待しているのでしょう。
しかし保険料を払わなければ、解除権は行使できないとは書いていません。
???

繰り返しになりますがその一方で、同じ第7条①項の中で、
・・また、保険金請求権の上に・・・・・・・・場合は、この解除権は・・・・・・・行使できません。
と明確に、解除権を否定しています。

同じ条項の中にある、この微妙な違いは何なのか。
何故、保険料を支払わなければ解約できない、と明確に書かないのか。
おそらく他の法律に照らし、無効にされる恐れを認識しているからだろう。

そういう意味で保険会社は、他の法律に抵触しないぎりぎりの処で、確信犯的に保険会社に有利な約款を作っているとしか思えない。

来年4月から施行される保険法では、
【保険契約者による解除】
第27条  保険契約者は、いつでも損害保険契約を解除することができる。
とだけ書かれ、保険料の支払いには一切触れていない。

この27条は確かに強行規定ではないが、今後作られる保険法対応の約款は、あえて契約者に不利な保険料支払いを、解除の条件に定めてくるのだろうか、注目したい。

                            
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保険法の条文をどのような趣旨で決定したのかということについては、法務省所管の法制審議会 保険法部会(http://www.moj.go.jp/SHINGI/hoken_index.html)で議論された内容を読むと分かると思います。
任意解除に関しては第2回会議で議論されており、適切な理由があれば任意解除を制限する約款を肯定することを前提として、保険法第27条は制定されていると私は理解しています。
そして、質権付契約やローン紐付で解約権を留保している契約というのは、契約者だけの一方的な都合で任意解約を認めることは、債権者の不利益となることから任意解除を制限するのは適切だと思います。
ところで、火災保険については、既に保険法対応済みの約款は出ていませんか?自動車よりも火災が先に出ると思うのですが。
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