小額訴訟制度その3
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小額訴訟制度その3
保険会社の言う事が正しいとすれば80-20でいいかと思うが、証人の言う事が正しいとすれば60-40もあり得る、ただ証人は大事なところを見ていない点で少し弱い。
とは言え、保険会社のいう同程度のスピードという主張は、今の証言からと相談者の車の破損状況から考えると、合理性に欠けるのではないか。
この司法委員、なかなか鋭い理論でポイントを突いてくる。
ともかく和解をする事を第一に考えるなら、中を取って70-30ではどうか?
この点は双方とも、即座に同意した。
司法委員は、この過失割合はそれで決めます、もう戻ってはいけませんよ。
と念を押し、それでは各損害について協議します、と話を進めた。
3台の車の修理費については保険会社の査定員が検証しており、もともと異存はなかった、問題は200万円の器具だった。
こちらで用意しているのは2年前の、事故直後のメモ程度の見積書だけであり、実際は買わずにリースに切り替えたのだ。
相談者がその説明をすると、司法委員は保険会社の担当者に、この件では具体的な額は提示していないのかと質問した。
保険会社の担当者は、修理費が40万円ぐらいかかるとは聞いたが、200万円の話は今初めて聞くと答えた。
司法委員は相談者に、今初めてというのはどういう事ですかと聞く。
相談者は、何度か電話をしたのですが、夕方5時を過ぎると電話が通じなくて、出来ませんでした。
司法委員は呆れたような顔をしながら、それで2年経ってしまったということですね、解りました、それでは保険会社さんは一旦退席して下さい、と私達だけを残した。
私達だけになると、司法委員は、ここで和解にもっていけなければ、おそらく判決は保険会社の請求どおりになる可能性が強いですよ、なぜならあの証人だって、現時点では本当に現場にいた事の証明はないし、この器具だって急に見積のメモを出したところで根拠が無いという理由で、却下されると思いますよ。
小額訴訟制度を選んだ以上、今日で決められるのですよ、後は無いのですよと、また脅される。
そう言いながらもこの司法委員、器具の時価額を税務上の償却期間を大幅に超える20年で計算し、時価を90万円とはじき出した、大胆な上、荒っぽい。
その上で、総損害額を過失相殺して、相談者は20万円を保険会社に支払う事でどうかと聞いてきた。
今日、和解出来ないと、相手の請求どおり49万円ですよと、脅しのダメ押しをされ、その案を呑んだ。
では、一旦退室して待って下さい、保険会社を説得してみますから。
私たちは部屋を出、交代で保険会社が部屋に入った。
15分くらい経つと、部屋へ招かれ、保険会社もその案を呑む事を伝えられた。
どんな脅しを使ったのか、色々想像すると、何か楽しくなる。
結局この件では、私の出る幕はなく、ただ勉強する事ばかりであった。
特に小額訴訟制度は、準備が不十分な時は選ぶべきではない事は、身に沁みて解った。
相談者も、恨みのある保険会社だったとは言え、もう少し早く誰かに相談すればよかったと思う。
だから通販は止めて、頼りになる代理店に入りなさい、と言いたいところです。
保険会社も、いくら相手が無保険で感情的になっているとはいえ、もっと親身な対応を取るべきです。
だから保険金隠しとか、保険金払い渋りと言われるんですよ。
今回は大胆で荒っぽい司法委員のおかげで、円満に解決出来たものの、一歩間違えばまだまだトラブルは続いたかも知れない一件でした。
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小額訴訟制度その3
保険会社の言う事が正しいとすれば80-20でいいかと思うが、証人の言う事が正しいとすれば60-40もあり得る、ただ証人は大事なところを見ていない点で少し弱い。
とは言え、保険会社のいう同程度のスピードという主張は、今の証言からと相談者の車の破損状況から考えると、合理性に欠けるのではないか。
この司法委員、なかなか鋭い理論でポイントを突いてくる。
ともかく和解をする事を第一に考えるなら、中を取って70-30ではどうか?
この点は双方とも、即座に同意した。
司法委員は、この過失割合はそれで決めます、もう戻ってはいけませんよ。
と念を押し、それでは各損害について協議します、と話を進めた。
3台の車の修理費については保険会社の査定員が検証しており、もともと異存はなかった、問題は200万円の器具だった。
こちらで用意しているのは2年前の、事故直後のメモ程度の見積書だけであり、実際は買わずにリースに切り替えたのだ。
相談者がその説明をすると、司法委員は保険会社の担当者に、この件では具体的な額は提示していないのかと質問した。
保険会社の担当者は、修理費が40万円ぐらいかかるとは聞いたが、200万円の話は今初めて聞くと答えた。
司法委員は相談者に、今初めてというのはどういう事ですかと聞く。
相談者は、何度か電話をしたのですが、夕方5時を過ぎると電話が通じなくて、出来ませんでした。
司法委員は呆れたような顔をしながら、それで2年経ってしまったということですね、解りました、それでは保険会社さんは一旦退席して下さい、と私達だけを残した。
私達だけになると、司法委員は、ここで和解にもっていけなければ、おそらく判決は保険会社の請求どおりになる可能性が強いですよ、なぜならあの証人だって、現時点では本当に現場にいた事の証明はないし、この器具だって急に見積のメモを出したところで根拠が無いという理由で、却下されると思いますよ。
小額訴訟制度を選んだ以上、今日で決められるのですよ、後は無いのですよと、また脅される。
そう言いながらもこの司法委員、器具の時価額を税務上の償却期間を大幅に超える20年で計算し、時価を90万円とはじき出した、大胆な上、荒っぽい。
その上で、総損害額を過失相殺して、相談者は20万円を保険会社に支払う事でどうかと聞いてきた。
今日、和解出来ないと、相手の請求どおり49万円ですよと、脅しのダメ押しをされ、その案を呑んだ。
では、一旦退室して待って下さい、保険会社を説得してみますから。
私たちは部屋を出、交代で保険会社が部屋に入った。
15分くらい経つと、部屋へ招かれ、保険会社もその案を呑む事を伝えられた。
どんな脅しを使ったのか、色々想像すると、何か楽しくなる。
結局この件では、私の出る幕はなく、ただ勉強する事ばかりであった。
特に小額訴訟制度は、準備が不十分な時は選ぶべきではない事は、身に沁みて解った。
相談者も、恨みのある保険会社だったとは言え、もう少し早く誰かに相談すればよかったと思う。
だから通販は止めて、頼りになる代理店に入りなさい、と言いたいところです。
保険会社も、いくら相手が無保険で感情的になっているとはいえ、もっと親身な対応を取るべきです。
だから保険金隠しとか、保険金払い渋りと言われるんですよ。
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