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卑劣な積算書

どこの保険会社でも示談に行く時は、損害額積算書などの名で、いわゆる示談の見積もりを提示する。
保険会社名で出すのだから、内容に詐欺的なものなどない筈だが、その積算書には見たこともない計算手順が書かれていた。

この事故は0-100の信号無視の事故で、当方契約者の車が横転し、不幸にも運転手側を下に滑走した時に、右指がドアの下になり、重症となった事故である。
右指は将来的にも使えないと言われ,車も手放し、保険契約も解約した。

事故から1年を過ぎた頃、その元契約者から、今日相手保険会社が示談に来る、立ち会って貰えないかとの電話があった。
しかしその時間は、私に変更できないアポが入っていた。
やむなく今日は示談はせず、後日示談書は送るからと言って、返信用の封筒を貰っておいて下さいと頼み、夕方元契約者のところへ行って、積算書を見てびっくりである。

簡単に言うなら、自賠責限度額120万円から、既払い額(治療費・通院交通費)¥388,746-を引いた残りが慰謝料という計算であった。
原文のまま転記する。

総治療期間:371日 入院2日間 通院期間369日 実通院日数:190日間
入院 (1か月)25,2万×2日間÷30=16,800円
通院 対象日数:通院日数190日を3倍=570日>通院期間369日のため369日
通院頻度190日÷369日=0,5⇒2/3
【{(12か月)93,3万+{(13か月)95,8万-93,3万}×11日÷30日}-{(1か月)12,6万×2日間÷30日】
×2/3=622,511円
入院16,800円+通院622,511円=639,311円。これを1,25倍=799,139円となります。
さらに7,695円を加算。(総損害額を自賠限度額まで引き上げ) 
通院頻度0,5⇒2/3としてみたり、訳の分からない1,25倍してみたり、どうしても自賠に合わない分は加算するなど、素人には解らないように、巧妙である。

後遺症の認定はまだなのに、なぜ傷害部分の示談をすることになったのかと聞いたところ、ちょっと金が必要になったので、自分の方から示談を急ぎたいと電話したとのことであった。

被害者が金を欲しがっている事で、足元を見た卑劣な積算書であった。

すぐ自分の保険会社に、人身傷害での支払いを大至急頼んで、相手の積算書を超える保険金を、1週間後には支払いできた。

そして、この卑劣な積算書は、法廷の場にに曝される事になったのである。
被告側代理人は答弁書で、最初から和解案を出してきた。
弁護士費用と遅延損害金を控除した、原告請求額通り支払うとの事だった。
法廷で積算書の根拠の追及を避けるため、審理を避けるしかなかったと思われる。
とても恥ずかしく、審理に耐えられるものではなかったからである。

私はこの事件以後、私の契約者が人身被害に遭った時は、たとえ過失0であっても全件人身傷害で対応している。
支払いを全部終わらせてから、弁護士基準で計算し直し差額を契約者に伝える。
差額の請求は額にもよるし、契約者の考えにもよるが、通院1か月以内なら請求しないことが多い。

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