不退去罪3

ゴネ得を許した末

　　　　　　　☆前から☆

契約者宅へ押しかけ、退去の要求にも応じず、警察の出動までになったこの前の件は、その後押しかけも、電話も収まった。

前にも書いたが、相手は事故多発者であり、これまでもどこの保険会社にも、自分の要求を呑ませてきたらしい。

自分の言いたい事ばかりを言い続け、人の話は全く聞かない人を相手にしたら、保険会社も面倒になって、要求を呑んでしまったのだろう。

その結果、自分の要求が正当だと思い込む事に、拍車をかけてしまった。
もともとの自己中心的な性格と、保険会社には負けないという自信とから、運転はますます乱暴になり、事故多発者になってしまったのだと思う。

ここで問題なのが、これまでの保険会社の対応だ。
何故、理不尽な要求に屈服するのか。
屈服する事で、次の犠牲者を作る事になると考えないのか。

要求を金銭で考え、少なかったら抵抗せずに、払ったほうが得だという考え方。
実際今回の事故の場合も、10％分は14,000円でしかなかった。
黙って14,000円払ったほうが、弁護士を依頼するより安くつく。

金銭と正義、どちらに重きを置くか、悩むところである。
しかし金銭だけで判断すると、不当要求する人間を増やす事になり、結果として金銭的にも、高くつく事も忘れてはならない。

今回の事故で、相手は初めから強硬に無過失を主張してきたが、その主張の仕方をみて、逆に屈服するわけには行かないと、思ったのだった。

幸いにも、契約者も同じ思いであったから、損害課も腹を括って対応出来たと思う。
金銭と正義、決して金銭で正義を葬ってはならない。

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