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徐行の速度は、摩擦係数で決まる。

徐行の速度は、摩擦係数で決まる。

道路交通法第2条1項20号で徐行とは、
【車両等が直ちに停止することができるような速度で進行する事をいう。】
と定められているだけで、具体的な数字は示されていない。
では、直ちに停止とは何メートルなのでしょうか?

この距離については、多数の判例からほぼ1メートル以内と いう数字が定着したといっていいでしょう。
では1メートルで停止できる速度とは、時速何キロメートルをいうのでしょう?
感覚的に、アイスバーンと乾燥アスファルト道路では、違う筈という事は解りますよね。

1メートルで停止できる速度は、次の式で計算できます。

V=√2αgS  αは路面とタイヤの摩擦係数 gは重力加速度9.8 Sは距離(今回1m)
重力加速度は一定ですから、1mで止まる速度は、V=√α×√19.6となり、
√αに比例する ことが解ります。

アイスバーンの摩擦係数0.1 乾燥アスファルトの摩擦係数0.7 
それぞれの条件で、1mで停まれる速度は
アイスバーンでは、時速約 5キロメートル
乾燥アスファルトでは、時速約 13.3キロメートル

このように徐行といっても、速度は路面によって違います.。
乾燥アスファルトでは、時速13キロメートルくらいでも徐行といえるのです。
徐行とは時速10キロメートル以内である、と言うのは間違いです

この10キロメートル以内という数字が、保険会社や一部の裁判官の間で
いつの間にか、ひとり歩きしてしまったようです。

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使える保険6年契約

    自動車6年分割払い契約
この4月、朝日火災から自動車6年分割払い契約が発売された。
保険を使っても、割増が付かない という保険だ。
正確に言うなら、6年間の間に3等級ダウン事故1件なら、
7年目の継続には割増がかからないという、驚くべき商品だ。

通常の1年契約は、3等級ダウン事故1件で、3年間の割増となる。
3年契約なら、2年間と1年短くなる。
6年契約なら割増期間が0年となり、割増がかからない。

4月満期の契約者に、TN社の3年契約と、朝日の6年契約とを並べて案内した。
結果、8割の契約者がTN社から、朝日の6年契約へ切り替えたのだ。
割増期間2年と、割増期間0では、天と地の違いである。

例えば年間保険料5万円の人ならば、1年契約では15万円、3年契約で10万円高くなるが
6年契約なら、期間が0年、つまり割増にならないという事だ。

TN社から朝日へ多少動くとは予想していたが、なんと8割の人が知名度の低い朝日火災に切り替えた。
これは想定外であった。
それだけ割増に対し、拒否反応が強いという事を、改めて実感した。
業界初の6年分割払い契約、台風の目になりそうな気配だ。

あとで解ったが、6年契約は数社から発売されていた。
ただどこの保険会社も6年一括払いしか引き受けていない
6年一括払いだと数十万円になる。
結局誰も入らないし、だから誰にも知られてもいない。

弁護士費用特約改定

弁護士費用特約の改定
①背景
  ・お客様が弁護士委任した場合における弁護士費用保険金のお支払いに関して、弁護士との交渉が長引き、迅速な保険金のお支払いが出来ていないケースが発生していました。
 ②改定内容
  ・弁護士費用特約について、約款上に弁護士報酬に対する支払保険金の上限額の規定を新設します(日本弁護士連合会の旧基準等を参考に策定します)
   

上の様に弁護士との報酬額の交渉が長引き、迅速な保険金支払いが出来ていなかった.
よって、弁護士の報酬額に上限を定め、交渉の余地を無くし、迅速に支払います。

迅速な支払いと言えば聞こえは良いが、本音は弁護士が受任したくない報酬額まで切り下げて、受ける弁護士を無くし、訴訟自体を減らす事に狙いがあるのは間違いない。

何故なら訴訟の結果は、賠償額が高くなってしまう事を意味し、その支払いは保険会社に回って来るからである。

5年前私は、弁護士費用特約は、保険会社の二枚舌を切り刻むハサミだと書いた。
今になってその事に気付いたのだろう、迅速な支払いのためという理由を付けて、ハサミの刃をボロボロにして、何も切れないハサミに挿げ替えようとしている。

もともとこの弁護士費用特約は、自分の舌を自分のハサミで切り刻むという自縄自縛の特約であったから、この矛盾と必ず決着をつける必要はあったのだ。

そして保険会社の選んだ決着とは、二枚舌の温存を決め、ハサミを抹殺する事だった。

皮肉な事に、この改定の発表があった日の午後、私たちは弁護士を招き、弁護士費用特約の講演を聞くことになっていた。
私は仲間の出席者にも、依頼した弁護士にも、この改定のニュースは、さすがに知らせる事はできなかった。

次回に続く

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治療費打ち切り

どこの保険会社でも、損害率は低く抑えようと、色々工夫はしているものだ。
他覚所見のない外傷性頸部症候群などは、早ければ3か月、遅くても6か月あたりから治療費打ち切りの圧力をかけてくる。
被害者だけでなく、医療機関に対しても、治療の見通しの意見を求める形で、じわじわと圧力をかけてくる。

大抵の被害者と医師は、その圧力に抗いきれず、治療を打ち切り後遺障害認定を受ける。
6ケ月やそこらの治療期間で、他覚所見もない外傷性頸部症候群では、非該当となるのが落ちである。

そんなこと保険会社は百も承知のうえで、打ち切りさせ、形だけの認定を受けさせるのだ。

保険会社は保険会社お抱えの医学博士の論文を、錦の御旗の様に適用する。
≪通常他覚所見の無い、いわゆる鞭打ち症(外傷性頸部症候群・頸椎捻挫)は、完治するまでの期間は6ヶ月ぐらいが妥当である≫、という論文である。

しかし人それぞれ、症状は違うものなのに、一律に押し切ろうとする。
だから非該当となった後も、自費で長く治療を受けている人は数知れない。

一方で確かに詐病と思われる、賠償目的の人がいる事は事実である。
むしろ保険会社は、そういう人とこそ争うべきであるが、逆にそういう人には弱く、
とんでも無い長期治療を黙認している。

示談交渉の現場は、ともかくトータルの損害率を下げればいいから、相手を見て、対応を変えている。

善良な被害者は、結果としてしわ寄せを被っている。

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卑劣な積算書

どこの保険会社でも示談に行く時は、損害額積算書などの名で、いわゆる示談の見積もりを提示する。
保険会社名で出すのだから、内容に詐欺的なものなどない筈だが、その積算書には見たこともない計算手順が書かれていた。

この事故は0-100の信号無視の事故で、当方契約者の車が横転し、不幸にも運転手側を下に滑走した時に、右指がドアの下になり、重症となった事故である。
右指は将来的にも使えないと言われ,車も手放し、保険契約も解約した。

事故から1年を過ぎた頃、その元契約者から、今日相手保険会社が示談に来る、立ち会って貰えないかとの電話があった。
しかしその時間は、私に変更できないアポが入っていた。
やむなく今日は示談はせず、後日示談書は送るからと言って、返信用の封筒を貰っておいて下さいと頼み、夕方元契約者のところへ行って、積算書を見てびっくりである。

簡単に言うなら、自賠責限度額120万円から、既払い額(治療費・通院交通費)¥388,746-を引いた残りが慰謝料という計算であった。
原文のまま転記する。

総治療期間:371日 入院2日間 通院期間369日 実通院日数:190日間
入院 (1か月)25,2万×2日間÷30=16,800円
通院 対象日数:通院日数190日を3倍=570日>通院期間369日のため369日
通院頻度190日÷369日=0,5⇒2/3
【{(12か月)93,3万+{(13か月)95,8万-93,3万}×11日÷30日}-{(1か月)12,6万×2日間÷30日】
×2/3=622,511円
入院16,800円+通院622,511円=639,311円。これを1,25倍=799,139円となります。
さらに7,695円を加算。(総損害額を自賠限度額まで引き上げ) 
通院頻度0,5⇒2/3としてみたり、訳の分からない1,25倍してみたり、どうしても自賠に合わない分は加算するなど、素人には解らないように、巧妙である。

後遺症の認定はまだなのに、なぜ傷害部分の示談をすることになったのかと聞いたところ、ちょっと金が必要になったので、自分の方から示談を急ぎたいと電話したとのことであった。

被害者が金を欲しがっている事で、足元を見た卑劣な積算書であった。

すぐ自分の保険会社に、人身傷害での支払いを大至急頼んで、相手の積算書を超える保険金を、1週間後には支払いできた。

そして、この卑劣な積算書は、法廷の場にに曝される事になったのである。
被告側代理人は答弁書で、最初から和解案を出してきた。
弁護士費用と遅延損害金を控除した、原告請求額通り支払うとの事だった。
法廷で積算書の根拠の追及を避けるため、審理を避けるしかなかったと思われる。
とても恥ずかしく、審理に耐えられるものではなかったからである。

私はこの事件以後、私の契約者が人身被害に遭った時は、たとえ過失0であっても全件人身傷害で対応している。
支払いを全部終わらせてから、弁護士基準で計算し直し差額を契約者に伝える。
差額の請求は額にもよるし、契約者の考えにもよるが、通院1か月以内なら請求しないことが多い。

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hokensyokunin

Author:hokensyokunin
性格:頑固・おせっかい・正義派
趣味:長距離ドライブ・トレッキング

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